システムを運用する際、避けては通れないのがインシデントの管理です。インシデント管理とは、システムに関連するトラブルや利用者からの要望やクレームなどに素早く対応することで、ビジネスへの影響を最小限に抑えることです。インシデントを管理するには、膨大な量のデータ処理が必要となってきますが、インシデント管理ツールを用いることでそれらを簡略化することができます。また、インシデント管理ツールを用いることで、今後起こりうるインシデントを未然に防ぎ、システムの品質向上に役立てることもできます。それぞれ特性の異なる多種多様なインシデント管理ツールが出回っており、目的やコストによって選択することが可能です。そのため、IT化が進む現代においては様々な企業でインシデント管理ツールが利用されています。
品質向上のためのインシデント管理ツール
インシデント管理ツールは、トラブルに迅速に対応するためだけではなく、記録された情報を使ってシステム自体の品質を改善するためにも用いることができます。インシデント管理とは、発生したトラブルについてその時点での問題解決が成されることであり、根本的な解決には至りません。しかし、インシデント発生時に情報を記録しておくことでインシデントの根本的な解決策を考えることができ、同じようなインシデントの発生を防ぐことが可能になります。それを繰り返し行うことでシステム自体の品質が向上していきます。また、インシデントの情報は将来起こりうるインシデントの防止にもつながります。品質向上は、どの分野の企業においても目標とされているため、インシデント管理ツールも活躍の幅はとても広くなっています。
個別管理している情報を一元化する
大企業の場合、インシデントの情報を個別に管理し、対応していることがあります。膨大なデータのインシデント情報を個別に管理していると、その集計や整理に多大な時間を費やさなくてはいけなくなります。インシデント管理ツールを用いれば、それらのインシデントの情報を簡単に一元化することができるので、作業効率が上がり従業員への負担が軽減されます。一元化されたことで情報共有が容易になり、様々な観点からのインシデントの分析もできるようになります。また、情報の共有によりインシデントへの対応も素早く社内に普及させることができます。このように、インシデント管理ツールは膨大なデータを統合的に管理、共有することができるため、様々な分野の集まる企業や国内外に進出している企業でも幅広く活用されています。